俺「…」携帯ジー
俺「眠いんで早退します」
先生「俺、待ちなさい! 俺!!」
女「俺君……またサボってる」
俺「俺だ。人質は無事なんだな?」
若い女の声『今のところは無事、だけど時間がない』
俺「すぐに向かう。データを送ってくれ」
こんな青春送りたかった。
若い女の声『任務に私情は挟まない』
俺「はいはい……ん?」
美少女エージェント「同業者か!?」
バキューン!!
俺「おわっ! いきなり撃つなよ!」
次の日…
男「なぁ俺、突然で悪いけど合コンに付き合ってくんね? お嬢様校と組めたんだけど、メンツが足んなくてよ」
俺『今日は仕事も無いし、久々に遊ぶか』
俺「ああいいぜ。ただ盛り上げとか期待するなよ」
男「助かる」
放課後…
男「そろそろ待ち合わせの時間だな…お、来た来た」
女の声1「あんたがいると格好良いの集まるから頼んだよ」
女の声2「もうっ、今日だけですよ」
男2「あの娘、すげぇ可愛くね!?」
男3「俺、狙っちゃうわ」
男「くだらね……」
美少女エージェント「今日はよろしくお願いします。 ……ん?」
俺「!?」
美少女エージェント「は、はじめまして!!」
俺「お、おお!! はじめまして!!」
男「ん? 俺、どうしたんだ?」
こんな青春だったらなぁ……
俺「やれやれ、奉仕の精神は立派だが、腕の立つ護衛を雇っておけって話だよなっ」
バキュン
敵「ウッ」バタ…
俺「…!? 新手かっ!?」
美少女エージェント「…!? 俺かっ」
俺「お前も依頼を受けたのか?」
美少女エージェント「くっ…彼女、クラスメートなのよ」
俺「……ふーん」
令嬢「悪いことをしても捕まりますよ」
元帥「フッフッフ…誰が私を捕まえると言うのです?」
令嬢「正義の味方です」
元帥「何を馬鹿な…そんなのがどこにいるのですか?」
俺「ここにいるぞ」
ドゴッ
令嬢「あの、あなたは…」
美少女エージェント「あんたの救出依頼を受けたエージェントだ」
令嬢「あれ? どこかで会ったような…」
美少女エージェント「…あとは任せた」
俺「はぁ、しょうがねぇ。脱出するからしっかり捕まってな」
令嬢「はい、……きゃあ!」
俺「はあ、だる…」
女「もう、一日中寝てたんだから、帰り道くらいしっかりしたら?」
俺『ん? 前から来るのは…』
令嬢「それで、正義の味方が助けてくれたんです!」
美少女エージェント「はぁ……よかったですね」
令嬢「もうっ! 信じていませんね!?」
俺「……」
俺「へっ……」
女「どうしたの?」
俺「なんでもね」
こんな感じでさらっと日常の大切さを噛み締められるような青春がよかったわ……
先生「俺! 起きなさい!」
ピンポンパンポーン
校内放送『先生、至急職員室までお戻りください』
先生「なんだ? みんな教室で自習してなさい」
「なんだなんだ?」「見に行こうせ!」「ちょっと男子やめなさいよ!」
男「俺も見に行こうぜ」
俺「眠ぃ……」
職員室…
職員室のテレビ『幼稚園を占拠したのは過激派と言われている新興宗教で…』
先生「そんな……娘のいる幼稚園で!!」
男「おいおい……マジかよ……」
ブルルルルル…
俺「…」
俺「男、急用出来たんで早退するわ」
男「こんな時に何を……って、おい!?」
園児「怖いよママぁ…」
教祖「反応が鈍いわねぇ……一人殺して様子をみましょう」
幼女「!? あたし……あたしがやるから!」
教祖「ホホホ…いいわ、こっちに来なさい」
幼女『こわい……パパ』
教祖「さて、カメラ映りの良い場所で撃ちましょうか……ここが良さそうですね。ではさようなら」
バキューン…
幼女「うぅ……? あれ? だいじょぶ?」
俺「頑張ったな、もう大丈夫だ」
幼女「う……ウワァァァン!!」
後日、登校途中…
先生「あれ? 俺君、今日は早いですね」
俺「…先生がいつもより遅いんじゃないですか?」
先生「娘の幼稚園が閉校したので、遠回りしたせいですね。ほら、幼女、ご挨拶なさい」
幼女「……あれ? あのときの?」
俺「しーーっ!」
幼女「……ひみつなのね?」
俺「ああ、頼むよ」
先生「幼女? ふむ……では俺君、学校で」
俺「はい」
幼女「ばいばーいっ」
俺「おう」
こんな風に、実は身近な人も助けてるんだけど、知られてなくて侮られてるんだけど、知る人は知ってるみたいな扱いされるっていいよね